「毎朝、工房に入ると、みんな一番に向かう場所は乾燥室です。」
という記事を書かせていただきました。
今日仕事をしている時に、その記事を思い出し、ふと気付いたことがありました。
「そういえば、私、子どもの頃から乾燥室が好きだったなぁ。」
「でも、なんで好きだったんだろう?」
そして、乾燥室が好きなのは、私の子ども達もなのです。
とにかくこの部屋が一番好きで、一番出入りして遊んでいます。
「なんで乾燥室が好きなんだろう?」という大した疑問ではありませんが、
ふと浮かんだ疑問がなんだか面白くなり、仕事をしながら少し考えてみました。
乾燥室には、塗ったばかりの器がたくさん並んでいます。
何度も目にしている器。
初めて見る器。
これから新しい商品になっていく途中の器。

そうった器がずらっと並ぶ景色が見れるのが乾燥室ならではです。
独特の匂いも、乾燥室ならではです。
私が子どもの頃、乾燥室でうろうろして、今までにない新しい商品を見つけじっーと見ていると
父が、
「これどうだ??」
「これから、こんな商品を作るんだよ」
「次はこうするんだよ」
と、子どもの私にも教えてくれたことを、とてもよく覚えています。
(そのやりとりは今でも変わらずです。日常です。 笑)
その話を聞くこと、新しい商品を見ること、どうやって作るんだろう?を知ることが
とても楽しくて、わくわくしていた、そんな記憶があります。
乾燥中の器は、基本的には素手で触ってはいけないというか、触らない方がいいものばかりです。
理由は、手についている塩分や油分が塗りの邪魔をするからです。
でも、子どもなので新しい色やデザインを見ると、
「わぁ、きれい。新しい色だ」
と思わず手が伸びてしまいます。
塗ったばかりの器に触ってしまい、指に色が付く。
すると父が、
「塗ったばっかりだぞ~(笑)」
と笑ってやって来る。
これは私が子どもの頃の記憶です。
数十年たった今は、私の子どもたちが同じことをしています。
乾燥室に入り
「なんだこれ!新しいぞ!!」
と思うと、ついつい自然に手が伸びます。
そして
「ぺと」
「あっ、やっちゃた」
と、苦笑い。
そしてじー(私の父が)、
「塗ったばっかりだぞ~(笑)」
とやってくる。
子どもの頃の話と書きましたが、実は今でもやってしまいます。
私も夫も、新しいものを見ると、つい手にとりたくなってしまいます。
そんな様子を見て、父は
「お前たちも職人だなぁ。気になるんだなぁ。」
と笑います。
新しいものを見ると、
つい立ち止まり、
手に取ってみたくなる。
子どもも大人も、
同じなのかもしれません。
子どもの頃から大好きだった乾燥室。
今では、子どもたちも同じように乾燥室へ向かいます。
新しい器が並び、
新しい商品が生まれ、
今日も誰かが、
「これ、なんだろう。」
と足を止める。
そして、
そっと手を伸ばす。
工房のみんなは、
やっぱり乾燥室が大好きなのです。

工房鈴蘭の記録

公開中
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